諏訪湖で「プライベート花火」があげられちゃう?

株式会社 小口煙火
小口 晶大さん

株式会社小口煙火代表。長野県諏訪市生まれ。大正時代から続く小口煙火の4代目。2019年に代表に就任。諏訪エリアの活性化と、もっと身近に打ち上げ花火を愉しんでいただくためのサービス展開に取り組んでいる。

湖上に大きく広がる色鮮やかな大輪の花々と、湖面や周囲の山々に反響する迫力の破裂音。毎年、お盆の8月15日に開催される諏訪湖祭湖上花火大会(以下、湖上花火大会)は、全国から多くの観光客を集める国内でも有数の規模の花火大会であり、地域に暮らす人々にとっても、夏を見送る大切な風物詩です。この記事では、70年以上の歴史を持つ湖上花火大会に、第一回から関わり続けてきた小口煙火の4代目 小口晶大さんに諏訪湖の花火の魅力や楽しみ方、そして花火師だからこそ見える諏訪湖の風景についてお聞きしました。

70年以上続く諏訪湖の夏の風物詩“湖上花火大会”

諏訪湖祭湖上花火大会は、戦後間もない1949年、戦争からの復興と市民の明るい未来を祈るイベントとして始まりました。この花火大会の企画運営に第一回から深く関わってきたのが、小口煙火です。大正3年の創業以来、この諏訪エリアで花火の製造や打ち上げを行ってきました。

「元々は曽祖父が花火づくりを家業にしたのが始まりだと聞いています」と語る小口晶大さんは2019年に小口煙火を継いだ4代目です。

諏訪湖花火大会
諏訪湖花火大会

年間スケジュールの中心にある諏訪湖祭湖上花火大会

小口煙火にとって、8月15日の諏訪湖祭湖上花火大会は、この日を中心に1年が回っているといっても過言ではないくらい、大事な日なのだそう。

「どこの煙火店もそうだと思いますが、8月に各地での花火大会が終わると、9月から翌年の花火大会で打ち上げる花火の製造に取り掛かります。そして、だいたい翌年の5月くらいまでには、夏にあげる花火を全て作りあげます。」

諏訪湖花火大会 花火ができるまで
諏訪湖花火大会 打ち上げ台の写真

「7月頃には、諏訪湖祭湖上花火大会に向け仮設の打ち上げ台が湖上に設置されます。私たちも、7月のうちに打ち上げ台に花火を打ち上げるための筒を運びこみます。そして大会の3日前には筒を立て、数日かけて花火の玉や火薬を詰めていきます。8月15日の打ち上げを経て、全部の筒が倒れる(=片付く)のは8月20日頃。諏訪湖祭湖上花火大会は、規模が大きいですし、小口煙火が打ち上げを取り仕切っていることもあり、小口煙火の1年はこの日を中心に回っているんです。」

花火師だからこそ見ることのできる諏訪湖の風景

花火大会当日は、打ち上げ台の上にいる花火師たち。
花火の真下にいる花火師さんたちには諏訪湖はどんな
風に見えているのでしょうか。

「当日は朝5時くらいから準備を始めます。花火大会の時はお客様が湖の岸から打ち上げ台の方を見ると思うのですが、この時間は打ち上げ台の方から岸がよく見えます。朝はまだ規制もしていないので、犬の散歩をしている人、ジョギングをしたりしている人の姿が見られるいつも通りの湖畔の風景です。徐々に立ち入り規制がされ、お昼過ぎからは席取りをする観客の姿が見えてきて、夕方になるといよいよ湖畔は人でいっぱいになります。それを見ていると、いよいよイベントが始まるんだと気持ちが盛り上がりますし、緊張もしてきますね。毎回、最初の花火が打ち上がるまでは緊張します。」

諏訪湖花火大会 湖畔からの景色

「諏訪湖祭湖上花火大会の名物『湖上スターマイン』は現在でも手動で着火していますが、他の花火は基本的にコンピューター制御された導火線で打ち上げます。私たちは、打ち上げ中は打ち上げ台に設置された避難小屋で待機していて、1つのプログラムが終わるごとに、打ち上げ台の上の消火活動をします。

避難小屋の屋根は透明なポリカーボネートなので、花火が開いたかどうかはかろうじて確認できるのですが、綺麗に見えるわけではないので、この時ばかりはやはり岸からが一番良い景色だと思います。」

諏訪湖花火大会 湖畔からの景色

湖上花火大会と言えば、
やはり水上大スターマイン。

花火を打ち上げるための人工島 初島

ところで、諏訪湖には「初島」という、花火を打ち上げるために作られた人工の島があるのをご存知でしょうか。1954年4月に完成したこの島は、湖の東側に位置する諏訪市湖畔公園の沖合から約250mの場所に位置しています。

「花火を打ち上げる際には、安全のために、打ち上げ場所から観客や建物までは一定の距離を置かなくてはなりません。この距離の規定は、都道府県により若干異なるのですが、長野県では10号以下の花火は250mの距離を取る必要があります。つまり初島は湖畔から安全な範囲で最も近くから花火が見せることを目的に作られた島なんです。」

諏訪湖花火大会 湖畔からの景色

花火を打ち上げるために作られた
湖上の人工島「初島」

諏訪湖で花火を上げてみませんか?

コロナ禍により中止になった2020年、2週間ほどをかけての分散開催となった2021年、2022年を経て、2023年は4年ぶりに8月15日の夜空を諏訪湖祭湖上花火大会の花火が彩りました。とは言え、各地でのイベントや花火大会は減少傾向。そんななか、小口煙火では花火大会以外でも花火を楽しんでいただけるご提案をしています。

諏訪湖花火大会 打ち上げの景色

「コロナ禍以降、プライベートなオーダーにお応えして花火をあげる機会が増えています。ここ数年で最も多いのは、修学旅行生向けの花火。コロナ禍の影響で、遠くには行けなかった学生に喜んでもらおうと学校がオーダーしてくださるんです。」

諏訪湖花火大会 打ち上げの景色

プライベート花火に関するお問い合わせは小口煙火まで!

内容や打ち上げの時間・タイミングなどをカスタマイズ可能な「プライベート花火」ご相談・ご予約はこちらから!

0266-58-0806

諏訪湖観光と花火をセットにしたプランも登場!

湖畔の洋館かたくらシルクホテル

2021年にリニューアルオープンした「かたくらシルクホテル」では1日一組限定でプライベート花火をセットした宿泊プランを提供。日暮から21:00までのご希望の時間に、最大4号玉までを組み合わせた約120秒の花火を打ち上げます。

諏訪湖観光汽船

諏訪湖をクルージングする遊覧船からプライベート花火を独り占めできるプラン。湖上から花火を堪能するなら、パノラマデッキのスワコスターマイン号がおすすめ。

「プロポーズや結婚祝い、還暦のお祝い、会社の創業周年イベントなど、節目のイベントを、特別な花火で盛り上げることができれば嬉しいです。花火の内容や打ち上げ時間などはご要望に合わせて、カスタマイズできるので、ぜひご相談ください。」と小口さん。

ただし、12月から2月にかけては諏訪湖に白鳥が飛来するため、花火の打ち上げは中止しているのでご留意ください。

諏訪湖の花火を通して、諏訪地域を盛り上げていきたい

「諏訪湖には花火を打ち上げるための島『初島』があります。これを活用して年中花火が上がるようになれば、近隣住民の方々もそれを楽しめ、地域の活性化につながると考えています。お盆の花火大会の時期以外にも、ぜひ諏訪湖に来ていただいて花火や観光を楽しんでいただけたら嬉しいです。」

製造から、打ち上げの準備や片付けまで含めると、多くの時間と手間をかけて打ち上げられる花火。それでも夜空に花火が輝くのは長くて数秒。大きな音や彩りも花火の大きな魅力ですが、一瞬で消えてしまう儚さこそ、花火が人を魅了するポイントかもしれません。その瞬間に、諏訪湖でなくては見ることのできない花火を、ぜひそれぞれの方法でお楽しみください。

おすすめPickup!!

おすすめ宿泊施設

湖畔の洋館
かたくらシルクホテル

【1日1組限定!最大4号玉花火打ち上げ 】諏訪湖畔だからできるちょっぴり贅沢プライベート花火プラン

【 住所 】〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り4丁目1−43
【 電話 】0266-52-2151(受付時間 10:00〜18:00)

詳細・ご予約はこちら

ホテル 紅や

【2024/8/15 諏訪湖祭湖上花火大会】花火を目の前でお楽しみいただくことができます!

【 住所 】〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り2-7-21
【 電話 】0266-57-1111(受付時間 9:00~18:00)

詳細・ご予約はこちら

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諏訪湖観光汽船

花火付き貸切クルージング

360°パノラマデッキから、混雑を気にすることなく迫力ある数々の花火をより身近で楽しむことができる。

【 住所 】〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り3丁目1−27
【 電話 】0266-52-0739(受付時間 9:00〜16:00)

詳細・ご予約はこちら

諏訪湖間欠泉センター「花火館」

自然に湧き上がる温泉から漂う湯けむりを楽しめる観光施設。3階は花火の展示スペース。花火玉や打ち上げに使われる筒を見ることができます。

【 住所 】〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り2丁目208−90
【 電話 】0266-52-8282

詳細はこちら

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