
新鶴本店
河西 正憲さん(写真右)
結びの木/二十四節氣神楽
武居 章彦さん(写真左)
諏訪大社下社秋宮のすぐ近くに創業して150年余、お土産としても、地域住民のとっておきとしても愛され続ける塩羊羹や和菓子を提供する新鶴本店の6代目である河西正憲さん。同じく諏訪大社下社秋宮のすぐ近くに店舗をかまえる和食店「二十四節氣 神楽」、バウムクーヘンの店「結びの木」店主である武居章彦さん。お二人とも、下諏訪町生まれ、下諏訪町育ち。大学進学を機に上京し、東京で社会人も経験してから、地元に戻ってきたという共通の経歴を持つお二人は、奇遇なことに同じ大学の先輩・後輩でもあるのだそう。

日本最古の神社の1つ諏訪大社下社秋宮宮の門前町、そして江戸と京都を結ぶ中山道の宿場町として栄えてきた下諏訪町。江戸から数えて29番目にあたる下諏訪宿は、甲州街道と中山道の交わる交通の要所でもあり、中山道の中では唯一温泉が湧く宿場町でもあったため、古くから多くの旅人で賑わってきました。そんな当時の面影も各所に残る下諏訪まちなかエリアの魅力を存分に味わいつくす、とっておきのめぐり方を下諏訪生まれ、下諏訪育ちのお二人にお聞きしました。
諏訪大社秋宮を中心としたまちなかエリアが、小さな頃から遊び場だったと語る武居さん。武居さんが考える下諏訪の魅力とは?

「歩いて回れる範囲に見所がぎゅっと詰まっているのが、このあたりの魅力だと思います。意外なところで素敵な景色に出会えたり、新しいお店がいつの間にできていたり、地元に住んでいる私でさえ、散歩をしているとしょっちゅう新しい発見がある。人の歩く速度でないと見つけられない出会いと発見がたくさんある町なんです」

確かに下諏訪まちなかエリアは、江戸時代の宿場町の面影を残した建物もあれば、意外なところで昭和のノスタルジーを感じる路地もあり、歩いているだけで、まるで色々な時代にタイムスリップして回っているような感覚になる街。

そんな下諏訪まちなかエリアの中でもお気に入りの風景を 河西さんにお聞きしてみました。



秋宮の鳥居から見える街並み
「私は仕事の合間に少し時間があると、秋宮さん(諏訪大社下社秋宮)にお参りに行くのですが、お参りの帰りに鳥居越しに見る景色は、諏訪湖の方に下っていく参道と街並みが一望できて、毎回いいなあと感じます。」

山王台から見た諏訪湖
「諏訪大社下社秋宮の駐車場の奥にある山王台から見える諏訪湖方面の眺めもおすすめです。こちらもお昼休みなんかに、ぼんやりと景色を眺めにいくことがあります。」



下諏訪の温泉街の路地
「もう一つ、観光スポットというわけではないのですが、旧中山道沿いの、亀屋旅館や綿の湯跡があるあたりの街並みが、とても好きです。夕方になると、絵に描いたようにエモい風景になるんです。お気に入りすぎて、下諏訪町の観光課の人にぜひここにベンチを置いてほしいとリクエストしたくらい。」


もう一つ、下諏訪まちなかエリアを楽しむ方法として、お二人がおすすめしてくださったのがお湯めぐり。このエリアには、公衆浴場や日帰り温泉施設が4つ(湖畔エリアまでふくめると5つ)あります。それぞれに温度や雰囲気が異なるため、お散歩の合間にさっと入るもよし、温泉旅館に泊まってお湯比べをするもよし、様々な楽しみ方ができます。
武居さんに、おすすめの温泉を紹介していただきました。
「私のおすすめは、菅野温泉です。温泉に至るまでのアーケードを歩いていくと、昭和にタイムスリップしたような気分になります。無色透明のやわらかいお湯なのですが、熱めのお湯が多い下諏訪温泉の中では、湯温は約42度から43度ぐらいと入りやすい温泉です。」



さて、このエリアのお土産として外すことができないのが、やはり新鶴本店の塩羊羹。河西さんに新鶴本店についてお話を伺いました。

「創業1873年と言われていますが、初代は『つるや』という旅館の次男だったそうです。『つるや』が新しく店を出したので『新鶴』ということで150年以上、現在の場所で営業をしています。」


新鶴本店の一番人気は、なんといっても塩羊羹。
創業時から、同じレシピと製法を守り続けているのだそうで、現在もナラの木の薪をくべた竈の火で、職人さんが毎日手作業で練り上げています。絶妙な塩加減によって、後を引かない甘さで食べた後もさっぱり。もう少しだけ食べたいと思ってしまうようなおいしさです。
売り切れてしまうこともあるので、確実に購入したい場合は早めの来店をおすすめします!

「塩羊羹の次に人気なのは、毎日、杵でつくお餅で自家製あんこを包んだ『もちまんじゅう』です。こちらは賞味期限が当日中ということもあり、地元の方に人気です。」

塩羊羹をお土産にしつつ、ここに来たからこそ楽しめる「もちまんじゅう」をお散歩のお供にするのも良さそうです。


2023年、諏訪地方唯一のバウムクーヘン工房としてオープンした「結びの木」のバウムクーヘンもお土産としておすすめです。2016年から諏訪大社下社秋宮近くで、「二十四節氣 神楽」という和食店を営んできた武居さんが、新たに作り始めたのがグルテンフリーのバウムクーヘン。


「小さな頃から、母が実家に帰るたびに必ずお土産としてベビーシューを買ってきてくれたのですが、母がそれを食べる度に必ず『これを食べている時が一番幸せ』って言うのです。
甘いものを家族みんなで美味しいねって言いながら食べるというのが、私の中に幸せの原風景としてずっとあるんです。」

「バウムクーヘンは、老若男女楽しんでいただけるお菓子ですし、木のケーキという意味なので、諏訪大社の御柱ともつながると思いました。
私は和食の料理人でもあるので、米粉と黒糖や三温糖を使った和ベースのバウムクーヘンに仕上げました。日本人好みのしっとりとした食感で、小麦粉アレルギーの方にも召し上がっていただけるお菓子になっています。」
